カスタマーサポートは外注すべき?メリット・デメリットとAI活用を踏まえた最適な運用方法

投稿日 :2026.07.09 

カスタマーサポートは、企業と顧客をつなぐ重要な役割を担っています。しかし近年は、問い合わせ件数の増加や人手不足を背景に、これまで内製で運営してきた体制の見直しを検討する企業が増えています。

その選択肢としてカスタマーサポートの外注が注目されていますが、BPO事業者側でも人材確保や人件費の高騰といった課題があり、AI活用を含めた運営方法にも関心が集まっています。

本記事では、カスタマーサポート外注の概要や委託できる業務、メリット・デメリット、費用相場、委託先の選び方に加え、AIを活用した新たな運営方法について解説します。自社の運営課題を整理し、最適なカスタマーサポート体制を検討する際の参考としてご活用ください。

カスタマーサポートの外注とは?委託できる業務を整理する

問い合わせ件数の増加や人材不足により、カスタマーサポートの運営を見直す企業が増えています。ただし、現在の業務をそのまま外注するのではなく、「どの業務を委託し、どの業務を社内に残すか」を整理することが重要です。

ここでは、カスタマーサポート外注の基本的な考え方と、委託できる業務について解説します。

カスタマーサポート外注とは

カスタマーサポート外注とは、問い合わせ対応や顧客対応に関する業務の一部または全部を専門事業者へ委託することです。業務負荷の軽減や対応品質の維持・向上に加え、自社社員がより付加価値の高い業務へ集中できる体制づくりを目的として活用されています。

近年は問い合わせチャネルの多様化により、自社だけで対応することが難しいケースも増えています。そのため、業務の一部を外部へ委託し、運営を効率化する企業が増えています。

カスタマーサポートで外注できる業務

カスタマーサポートで外注できる業務は、電話対応だけではありません。問い合わせ対応を中心に、顧客対応に関わるさまざまな業務を委託できます。

代表的な業務は以下のとおりです。

  • 電話・メール・チャットによる問い合わせ対応
  • 商品・サービスに関する案内
  • 注文・予約受付
  • FAQやマニュアルに沿った定型対応
  • データ入力や事務処理
  • 顧客情報の更新・管理

すべての業務を外注する必要はありません。自社の課題や運営体制に応じて、委託する業務を切り分けることが重要です。

カスタマーサポートで外注が向いている業務・向いていない業務

外注を成功させるためには、業務内容に応じて役割を切り分けることが重要です。すべての業務を外注するのではなく、外注に向いている業務と社内で対応すべき業務を整理したうえで委託範囲を決めることで、運営効率や対応品質を高めやすくなります。

外注が向いている業務

  • FAQに沿って対応できる定型的な問い合わせ
  • 電話やメールなどの一次受付
  • 繁閑差が大きく、柔軟な人員配置が求められる業務

内製が向いている業務

  • 個別判断が必要なクレーム対応
  • 高度な専門知識や自社独自のノウハウが必要な対応
  • 経営判断や権限を伴う対応

まずは現在の問い合わせ内容や業務を整理し、「何を外注し、何をAIで自動化し、何を社内で担うのか」を明確にすることが、効率的なカスタマーサポート体制を構築するポイントです。

カスタマーサポートを外注するメリット・デメリット

カスタマーサポートの外注は、人員確保への対応や業務効率化につながる有効な選択肢です。一方で、委託範囲や運用方法によっては、期待した成果が得られない場合もあります。

ここでは、外注のメリット・デメリットに加え、近年の市場環境の変化について解説します。

カスタマーサポートを外注するメリット

カスタマーサポートを外注する大きなメリットは、自社の運営負荷を軽減し、限られたリソースをコア業務へ集中できることです。また、運用ノウハウを持つ事業者へ委託することで、対応品質の標準化や安定した運営にもつながります。

主なメリットは以下のとおりです。

  • 人材不足や採用難への対応
  • 採用・教育コストの削減
  • 繁忙期や問い合わせ増加への柔軟な対応
  • 対応品質の標準化・平準化
  • 社内リソースをコア業務へ集中できる

外注を活用することで、自社で採用・育成を続ける負担を抑えながら、問い合わせ件数の増減にも柔軟に対応しやすくなります。

カスタマーサポートを外注するデメリット

一方で、外注には注意すべき点もあります。外注を成功させるためには、委託先へ任せきりにするのではなく、自社と委託先が連携しながら、KPI管理や運営方針の見直しを継続的に行うことが重要です。

特に注意したいポイントは以下のとおりです。

  • ノウハウが社内に蓄積しにくい
  • 委託先との情報共有や連携が必要
  • 対応品質を継続的に管理する必要がある
  • 委託範囲によってはコストが増加する場合がある

これらの点をあらかじめ踏まえ、委託範囲や役割分担を明確にしたうえで運用することで、外注の効果を最大限に引き出しやすくなります。

カスタマーサポート外注を取り巻く環境は変化している

カスタマーサポート外注は多くの企業で活用されていますが、近年はBPO事業者でも人員確保や人件費の高騰が課題となっています。中小企業庁の「2025年版 中小企業白書」でも、人材不足は依然として多くの企業で重要な経営課題となっており、採用難の状況が続いていることが示されています。こうした影響はカスタマーサポート業務にも及んでおり、企業によっては希望どおりの体制を構築しにくくなったり、運用コストが増加したりするケースもあります。

こうした背景から、従来の外注だけでなく、AIを活用して定型的な問い合わせ対応や業務を効率化する運営方法にも注目が集まっています。

カスタマーサポート外注の費用相場と委託先の選び方

外注を検討する際は、「どのくらいの費用がかかるのか」「どの事業者を選べばよいのか」が気になるポイントです。しかし、費用だけで判断すると、期待した成果が得られない可能性もあります。

ここでは、カスタマーサポート外注の費用相場と、委託先を選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説します。

カスタマーサポート外注の費用相場

カスタマーサポート外注の費用は、対応時間や問い合わせ件数、業務範囲、必要なオペレーター数などによって大きく異なります。

一般的には、オペレーター1席(約160時間/月)の専任体制で、月額40万~50万円程度に管理者費用を加えた金額が一つの目安です。複数名体制や24時間対応、複数チャネルへの対応など運営規模が大きくなると、月額数百万円以上になるケースも珍しくありません。

費用を比較する際は、金額だけでなく、対応範囲や対応時間、教育、レポーティング、運用改善などが料金に含まれているかも確認することが重要です。

カスタマーサポートで外部委託先を選ぶ際のチェックポイント

委託先を選ぶ際は、価格だけでなく、自社の運営方針や目的に合った支援が受けられるかを確認することが重要です。

主なチェックポイントは以下のとおりです。

  • カスタマーサポートの運用実績や業界知識
  • 対応品質を維持・改善するための体制
  • セキュリティや個人情報保護への取り組み
  • 問い合わせ状況を可視化できるレポートや改善提案の有無
  • 問い合わせ増加時にも対応できる運営体制

単に問い合わせ対応を委託するだけでなく、継続的な運用改善まで支援できる事業者かどうかも重要な判断材料になります。

カスタマーサポート外注を成功させるための準備

外注の効果を最大化するためには、委託先を選ぶだけでなく、自社側の準備も欠かせません。

委託する業務範囲やKPI、エスカレーションルール、FAQや業務マニュアルなどを事前に整理しておくことで、運用開始後の認識のずれを防ぎやすくなります。

また、導入後も定期的に運用状況を確認し、問い合わせ内容や課題を共有しながら改善を続けることで、外注の効果をより高めることができます。

外注だけでなくAI活用も選択肢|最適なカスタマーサポート体制とは

ここまで、カスタマーサポート外注について解説してきました。近年は、外注に加えてAIを活用し、業務効率化や対応品質の向上を図る企業も増えています。

ここでは、AIで実現できることや、新たなカスタマーサポートの運営方法を紹介します。

AIが担えるカスタマーサポート業務は広がっている

近年のAIは、FAQに沿った回答だけでなく、問い合わせ内容を理解して適切な回答を提示したり、必要に応じて有人対応へ引き継いだりできるようになっています。また、システムと連携することで、顧客情報の確認や各種手続きなども担えるようになっています。

そのため、AIは単なる問い合わせ対応ツールではなく、カスタマーサポート全体を支える手段として活用が進んでいます。

外注とAIを組み合わせる選択肢もある

AIは定型的な問い合わせや一次対応を得意とし、人は複雑な相談や個別判断が必要な対応を担うなど、それぞれの強みを活かして役割分担することで、効率的な運営体制を構築できます。

例えば、AIが受付や定型対応を担当し、外注先が専門知識を要する問い合わせや有人対応を担うことで、対応品質を維持しながら業務負荷や運営コストの最適化につながります。

近年は、外注に加えてAIを活用し、業務効率化や対応品質の向上を図る企業も増えています。

問い合わせ対応をAIで効率化する方法については、「問い合わせ対応を自動化する方法5選!メリットから選び方まで」も参考になります。 

AI-BPOという新しい選択肢

AI-BPOは、AIを問い合わせ対応の一部に活用するだけでなく、AIを中核としてカスタマーサポート業務全体を最適化する考え方です。

AIが問い合わせ対応や情報収集、システムと連携した各種手続きなどを担い、人は判断や例外対応に集中することで、業務効率や対応品質の向上、運営コストの最適化を実現します。

採用難への対応だけでなく、将来的な問い合わせ件数の増加や業務拡大にも対応しやすい運営体制として、AI-BPOへの注目が高まっています。

カスタマーサポート体制を見直す際の判断ポイント

ここまで紹介したように、カスタマーサポートの運営方法には、内製・外注・AI活用といった複数の選択肢があります。重要なのは、「外注するかどうか」ではなく、自社の課題や業務内容に応じて最適な運営体制を設計することです。

ここでは、カスタマーサポート体制を見直す際に押さえておきたい判断ポイントを紹介します。

現在の課題に合わせて最適な運営方法を選ぶ

まずは、自社が抱える課題を整理することが重要です。例えば、「問い合わせ件数の増加に対応できない」「採用や教育の負担が大きい」「対応品質にばらつきがある」「コストを最適化したい」など、課題によって適した運営方法は異なります。

そのうえで、定型的な問い合わせはAI、専門知識が必要な対応は外注、自社独自の判断が求められる業務は内製というように、それぞれの特長を活かして役割を分担することで、業務効率と対応品質のバランスを取りやすくなります。

将来の変化にも対応できる体制を考える

カスタマーサポート体制は、現在の課題を解決するだけでなく、事業成長や問い合わせ件数の増加、新たなサービスの開始など、将来的な変化にも柔軟に対応できることが重要です。

短期的なコストだけで判断するのではなく、運営の拡張性や継続的な改善のしやすさも踏まえて体制を設計することで、長期的に安定した運営につながります。外注・内製・AI活用をそれぞれ比較し、自社にとって最適な組み合わせを検討しましょう。

AIを活用したカスタマーサポートの考え方や導入ポイントについては、「【問い合わせ対応でAIが活躍する時代】自動化するメリットと導入のポイント」もあわせてご覧ください。 

カスタマーサポート外注を成功させるには、自社に合った運営体制を選ぶことが重要

カスタマーサポートの外注は、採用難への対応や業務負荷の軽減、対応品質の維持・向上に有効な選択肢です。一方で、人材確保やコストを取り巻く環境は変化しており、従来の外注だけでは十分に対応できないケースも増えています。そのため現在は、外注・内製・AI活用を組み合わせながら、自社に最適な運営体制を検討することが重要です。

こうした課題を解決する方法として注目されているのが、AIエージェントマルチAIエージェントです。問い合わせ対応から情報収集、システムと連携した各種手続きまでを一気通貫で担うことで、業務効率化だけでなく、顧客対応から業務完了までのプロセス全体を最適化できます。 

CAT.AIは、問い合わせ対応から業務処理までを一気通貫で支援するAI-BPOソリューションです。AIを中核に複数のAIやシステムを連携させることで、業務効率化と顧客体験の向上を両立し、持続可能なカスタマーサポート体制の構築を支援します。

製品資料では、活用イメージ、導入事例、対応できる業務範囲などを紹介しています。カスタマーサポートの運営を見直したい方や、外注とAI活用を比較しながら最適な体制を検討したい方は、ぜひご覧ください。

この記事の筆者

CAT.AI

株式会社CAT.AI

ビジネス企画本部

CAT.AI(キャット・エーアイ)は、2026年4月に設立された株式会社トゥモロー・ネットの子会社で、「Customer Agent of Tomorrow.AI」を由来とするAIコミュニケーションプラットフォーム「CAT.AI」の企画・開発・提供を行っています。「ヒトとAIの豊かな未来をデザインする」をビジョンに、ボイスボットとチャットボットを統合した「CAT.AI マルチAIエージェント」を展開。独自の自然言語処理(NLP)技術と柔軟な設計基盤を強みに、社会インフラ、金融、流通、コールセンターを含むエンタープライズ領域において、顧客接点の自動化を通じた業務効率化と顧客満足度の向上の両立を支援しています。

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