カスタマーサポートにおけるAIエージェント|活用例やメリット、選び方を解説

投稿日 :2026.08.03 

カスタマーサポートでは、人手不足や問い合わせ内容の複雑化を背景に、従来のチャットボットだけでは対応しきれない業務への対応が求められています。こうした中、対話だけでなく、情報取得やシステム連携、業務処理まで支援できるAIエージェントが注目されています。

一方で、「チャットボットや生成AIと何が違うのか」「どのような業務に活用できるのか」「自社にはどのようなAIエージェントが適しているのか」と悩む担当者もいるでしょう。

本記事では、カスタマーサポートにおけるAIエージェントの特徴や活用例、導入メリット、選定時のポイントを解説します。AIエージェントで対応できる業務の範囲を把握し、自社のカスタマーサポートでの活用方法や導入の方向性を検討する際に役立ててください。

カスタマーサポートにおけるAIエージェントとは

ここでは、カスタマーサポートにおけるAIエージェントの特徴とチャットボット・生成AIとの違いを解説します。

AIエージェントの特徴

カスタマーサポートにおけるAIエージェントの特徴は、対話を起点に、情報取得やシステム連携など複数の処理を組み合わせて業務を進められることです。

たとえば、問い合わせ内容に応じて顧客情報や契約情報を確認し、必要に応じて外部システムと連携しながら、その後の手続きまで対応するといった活用が考えられます。

このように、AIエージェントは質問への回答にとどまらず、複数の処理を伴う一連の業務を支援できる点に特徴があります。

AIエージェントによって具体的にどのような業務を効率化できるのか、さらに詳しく知りたい方は、『AIエージェントの「できること」を整理|業務で活かすための基本理解』もご覧ください。 

チャットボット・生成AIとの違い

AIエージェントとチャットボット、生成AIは、それぞれ得意とする役割や対応範囲が異なります。

チャットボットは、ユーザーとの対話を通じた質問への回答や情報案内、生成AIは文章作成や要約、情報整理などに活用されます。一方、AIエージェントは、必要な情報を取得し、複数の処理を組み合わせながら業務を進めることが特徴です。

たとえば、FAQへの回答を自動化するならチャットボット、回答文の作成や問い合わせ内容の要約なら生成AI、問い合わせに応じて情報を取得し、システム連携や手続きまで進めるならAIエージェントが適しています。

チャットボット・生成AI・AIエージェントを組み合わせて活用することもできます。カスタマーサポートの課題や自動化したい業務の範囲に応じて、適した技術を選ぶことが重要です。 

カスタマーサポートでAIエージェントが注目される理由

カスタマーサポートを取り巻く環境の変化により、問い合わせへの回答だけでは解決できない業務が増えています。ここでは、AIエージェントが求められる背景を見ていきます。

問い合わせ対応だけでは解決できない業務が増えている

カスタマーサポートへの問い合わせは、単純な質問だけとは限りません。顧客の状況や契約情報を確認したうえで案内したり、各種手続きを受け付けたりするなど、複数の対応が必要になるケースもあります。

たとえば、「契約内容を変更したい」「登録情報を更新したい」といった問い合わせでは、回答だけでなく、その後の手続きまで進める必要があります。また、問い合わせ内容が複雑になるほど、オペレーターが複数のシステムを確認したり、必要な情報を探したりする場面も増えます。

こうした背景から、問い合わせへの回答だけでなく、その後の情報確認や手続きまで含めて業務を効率化することが求められています。

業務全体を自動化するニーズが高まっている

カスタマーサポートの効率化では、問い合わせ対応だけを切り出すのではなく、受付から業務完了までの流れを見直すことも重要です。

問い合わせを受け付けた後には、顧客情報の確認や手続き、対応内容の記録など、さまざまな作業が発生します。個別の作業だけを自動化するのではなく、こうした一連の業務をまとめて効率化したいというニーズが高まっています。

そのため、カスタマーサポートでは「回答を自動化する」だけでなく、「問い合わせを受けてから業務が完了するまでをどう効率化するか」という視点でAI活用を考えることが重要になっています。

カスタマーサポートにおけるAIエージェントの活用例

AIエージェントは、問い合わせ対応だけでなく、各種手続きやオペレーターの業務支援など、カスタマーサポートのさまざまな場面で活用できます。ここでは、具体的な活用例を見ていきましょう。

問い合わせ対応を自動化する

商品やサービスに関する質問、利用方法の案内など、日々寄せられる問い合わせへの対応にAIエージェントを活用できます。

たとえば、顧客から「このサービスを利用したい」と問い合わせがあった場合、顧客の契約状況や利用状況を確認したうえで、適切な案内が必要になることがあります。AIエージェントなら、問い合わせ内容に応じて必要な情報を取得し、顧客の契約状況や利用状況などを確認したうえで、適切な案内を行うといった一連の対応を支援できます。

また、定型的な問い合わせを自動化することで、オペレーターが複雑な問い合わせや人による対応が必要な業務に集中しやすくなります。営業時間外の問い合わせにも対応できるため、24時間の顧客対応にも活用できます。

各種手続きや業務処理を自動化する

カスタマーサポートでは、問い合わせを受けた後に、顧客情報の確認や各種手続きなどが必要になるケースもあります。

たとえば、次のような業務が考えられます。

  • 住所や登録情報の変更
  • 契約内容の変更
  • 商品やサービスの申し込み
  • 契約・利用状況の確認
  • 返品や解約などの受付

AIエージェントを活用すれば、問い合わせを受け付けた後、必要な情報を確認し、手続きを進めるといった一連の業務を効率化できます。

たとえば住所変更であれば、顧客からの依頼を受けて本人情報を確認し、登録情報を更新するといった処理を支援できます。問い合わせへの回答だけでなく、その後の業務処理まで効率化できることがAIエージェントの活用メリットです。

オペレーター業務を支援する

AIエージェントは、顧客対応を直接行うだけでなく、オペレーターの業務支援にも活用できます。

たとえば、複雑な問い合わせを受けた際の情報検索や顧客情報の確認、対応後の問い合わせ内容の要約や対応履歴の整理などを支援できます。

AIが情報検索や定型的な処理を担い、オペレーターが顧客とのコミュニケーションや判断が必要な業務を担当するなど、役割を分担することも可能です。こうした活用により、オペレーターの負担を軽減しながら、対応品質の安定化や業務効率化につなげられます。

カスタマーサポートにAIエージェントを導入するメリット

AIエージェントを導入することで、個別の業務を効率化するだけでなく、カスタマーサポート全体の対応範囲や業務の進め方を変えられます。ここでは、主なメリットを紹介します。

問い合わせから業務完了までを一気通貫で自動化できる

カスタマーサポートでは、問い合わせへの回答だけでなく、その後の情報確認や手続きなど、複数の工程を経て業務が完了するケースがあります。

AIエージェントを活用することで、こうした一連の業務を個別に自動化するのではなく、問い合わせを受けてから業務が完了するまでの流れをまとめて効率化できます。

これにより、問い合わせ対応とその後の業務処理を別々に行う場合と比べて、オペレーターの作業負担の軽減につながります。また、顧客にとっても、問い合わせのたびに別の窓口へ移ったり、同じ情報を繰り返し伝えたりする手間を減らせます。

複雑な問い合わせにも柔軟に対応しやすくなる

カスタマーサポートでは、顧客の状況や契約内容などによって、必要な対応が変わる問い合わせもあります。

AIエージェントを活用すると、複数の情報を参照しながら対応を進められるため、定型的な質問への回答だけでは対応しにくい問い合わせにも活用範囲を広げられます。

たとえば、顧客情報や契約情報、商品情報などを組み合わせて確認する必要がある場合でも、必要な情報を参照しながら対応を進めることができます。

これにより、これまでオペレーターへの引き継ぎが必要だった問い合わせの一部も自動化でき、人による対応が必要な業務にオペレーターが集中しやすくなります。

業務の変化に合わせて柔軟に対応しやすい

カスタマーサポートでは、新しい商品やサービスの追加、問い合わせ内容の変化などによって、対応する業務も変わっていきます。そのため、AIエージェントを導入する際は、現在の業務だけでなく、将来的な活用範囲も考えることが重要です。

AIエージェントは、問い合わせ対応だけでなく、情報取得やシステム連携、業務処理などを組み合わせて活用できます。そのため、業務の変化に応じて必要な処理や連携を追加しながら、活用範囲を広げていくことができます。

たとえば、特定の問い合わせ対応から始め、顧客情報の照会や各種手続きなどへ段階的に対象業務を広げることも可能です。将来的な業務の変化を見据えて活用範囲を拡張しやすいことも、AIエージェントのメリットです。

AIエージェントに限らず、AIはカスタマーサポートのさまざまな業務で活用されています。自社の課題に合わせてAIをどのように取り入れられるのか、「AIカスタマーサポートとは?導入効果・活用パターンと失敗しない選び方」にて具体的な方法も参考にしてみてください。 

カスタマーサポート向けAIエージェントを選ぶポイント

AIエージェントを導入する際は、単に「AIで問い合わせ対応ができるか」だけでなく、自社の業務をどこまで任せられるかを確認することが重要です。ここでは、サービスを選ぶ際に確認したい3つのポイントを紹介します。

問い合わせ対応から業務処理まで対応できるか

まず確認したいのは、問い合わせへの回答だけでなく、その後の業務までどこまで対応できるかです。

AIエージェントによって対応できる範囲は異なるため、自社が効率化したい業務を明確にしたうえで、必要な処理まで対応できるかを確認しましょう。

たとえば、問い合わせへの回答だけを自動化したいのか、顧客情報の確認や各種手続きまで効率化したいのかによって、必要なサービスは変わります。

「何ができるか」ではなく、「自社のどの業務をどこまで任せたいか」という視点で、対応範囲を確認することがポイントです。

既存システムと連携して業務を実行できるか

AIエージェントを実際の業務で活用するには、既存のシステムやデータとの連携も重要になります。

CRMや基幹システム、社内データベースなどと連携できれば、必要な情報を取得したり、業務処理を進めたりする際に活用できます。

そのため、導入を検討する際は、自社で利用しているシステムと連携できるかだけでなく、必要な情報取得や処理まで実行できるかを確認することが重要です。

また、特定のシステムとの連携実績だけで判断するのではなく、今後新たなシステムを追加する場合にも対応できるかなど、連携の柔軟性も確認しておくとよいでしょう。

業務の変化に合わせて拡張できるか

カスタマーサポートでは、商品やサービスの追加、問い合わせ内容の変化などによって、効率化したい業務も変わっていきます。

そのため、導入時点で対応できる業務だけでなく、将来的に新たな業務や対応領域を追加できるかも確認しておきましょう。

たとえば、最初は問い合わせ対応から始め、顧客情報の照会や各種手続きなどへ段階的に活用範囲を広げられる仕組みであれば、業務の変化に合わせて活用しやすくなります。

AIエージェントを長期的に活用するためにも、現在の課題だけでなく、今後どのようにカスタマーサポートを効率化していきたいかまで見据えて選ぶことが大切です。

AIエージェントを長期的に活用するには、導入時の選定だけでなく、社内での活用方法や運用まで見据えておくことが重要です。AIエージェントの導入を進める際のポイントについては、「AIエージェント導入を成功させるには?業務から考える実践アプローチ」でも詳しく解説しています。 

AIエージェントでカスタマーサポートの業務全体を最適化

カスタマーサポートでAIエージェントを活用することで、問い合わせへの回答にとどまらず、情報確認やシステム連携、業務処理まで含めた対応を効率化できます。複雑な問い合わせや複数の処理を伴う業務にも活用することで、これまで自動化が難しかった業務にも対応しやすくなります。

導入する際は、対応範囲や既存システムとの連携性、将来的な拡張性を確認し、自社の業務に適したサービスを選ぶことが重要です。さらに、AIエージェントの活用範囲を広げる方法の一つが、複数のAIがそれぞれの役割を担いながら連携するマルチAIエージェントです。複数の処理や業務を組み合わせることで、より複雑なカスタマーサポート業務にも対応しやすくなります。 

CAT.AIでは、業務内容に応じたAI構成により、問い合わせ対応から業務完了までを支援するAI-BPOプラットフォームを提供しています。AIエージェントやマルチAIエージェントを活用して、自社のカスタマーサポートでどのような業務を効率化できるのか検討したい方は、サービス紹介資料をご覧ください。具体的な活用方法や期待できる効果を確認し、自社でのAI活用を検討する際にご活用いただけます。

この記事の筆者

株式会社CAT.AI

株式会社CAT.AI

マーケティング部門

CAT.AI(キャット・エーアイ)は、2026年4月に設立された株式会社トゥモロー・ネットの子会社で、「Customer Agent of Tomorrow.AI」を由来とするAIコミュニケーションプラットフォーム「CAT.AI」の企画・開発・提供を行っています。「ヒトとAIの豊かな未来をデザインする」をビジョンに、ボイスボットとチャットボットを統合した「CAT.AI マルチAIエージェント」を展開。独自の自然言語処理(NLP)技術と柔軟な設計基盤を強みに、社会インフラ、金融、流通、コールセンターを含むエンタープライズ領域において、顧客接点の自動化を通じた業務効率化と顧客満足度の向上の両立を支援しています。

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